IT化、デジタル化の重要性が高まり、業界業種問わずどの企業でも取り組みが進んでいます。

その取り組みの中の一つにペーパーレス化があります。

今回はペーパーレス化について、実行するメリット・デメリットを含めて解説していきます。

1.ペーパーレスとは

ペーパーレスとはその名の通り、「紙を少なくする」という意味になります。

もちろん、今使っている紙を削減するだけでなく、紙で残していた情報をデジタルに置き換えることが重要です。

これまで紙で保存していた書類などの情報を、電子化することにより、業務効率化やコスト削減を図ることが狙いとなります。

ペーパーレス化というと、社内の書類をデータ化したり、会議に使う書類のプリントアウトとやめてデータでやり取りするなどが浮かぶ方も多いと思いますが、それだけではありません。

電子書籍を読んだり、切符ではなくICカードを使って電車に乗るなどもペーパーレス化にあたります。

ペーパーレス化は仕事の中だけの話ではなく、日常生活の中でも展開していると言えるでしょう。

2.ペーパーレス化が必要とされる３つの背景

ペーパーレス化の推進が重要であるというのは、何となく感じている方も多いかと思います。

ではなぜ、ペーパーレス化以外にもデジタル化を促進させるための施策があるにも関わらず、ペーパーレス化が重要であるとされているのでしょうか。

それには、ペーパーレス化が必要とされる３つの背景があります。

①デジタル技術の発展

まず一つ目は、デジタル技術の発展です。

インターネット環境が整備され、さまざまなデジタル技術が加速度的に進化しています。

クラウドサービスの充実や、スマートフォンなどのデジタルデバイスの普及などが挙げられるでしょう。

こういった、デジタル技術の発展により、以前よりもはるかに低コストで書類などの紙の情報をデジタル化することが可能になりました。

②環境の保護

紙の生産には木が原料として使用されており、森林を伐採する必要があります。

森林伐採が世界的にも問題になっているということは、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

もちろん、ビジネスの現場で使用する紙も原料は木です。

つまり、紙を使用すればするほど、環境に悪影響を与えている可能性が高いのです。

こうした背景から、環境保全に取り組むためにも、ペーパーレス化の促進が求められています。

③国家単位での推進

ペーパーレス化は法律の整備など、国家単位でもその取り組みの後押しが進んでいます。

1998年には国税関係書類の電子保存を認める「電子帳簿保存法」が施行され、2004年には紙での保存が義務付けられていた法人税法や商法に関連する書類の電子保存を認める「e-文書法」が施行されています。

また、働き方改革の中の重要施策のうちの一つとしてもペーパーレス化は挙げられており、もはやペーパーレス化は企業として必要不可欠な取り組みになってきていると言えるでしょう。

3.ペーパーレス化の６つのメリット

ここまではペーパーレス化がなぜ必要なのかといった背景についてお伝えしてきました。

では、実際にペーパーレス化に取り組むことでどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここからはペーパーレス化のメリットについて解説していきます。

①コスト削減

一つ目はコスト削減です。

これまで紙で印刷していた書類をデータ化することができれば、その紙にかかる分のコストを削減することができるでしょう。

また、紙にかかるコストだけでなく、印刷機代、インク代、印刷機のメンテナンス代、シュレッダー代など、紙周辺にかかる様々なコストも削減することができます。

もちろん、ペーパーレス化の導入にもコストはかかりますが、中長期的な視点で見れば、データで管理したほうがコストは抑えることができるでしょう。

②業務効率化

二つ目は業務効率化です。

社内、社外問わず、紙でのやり取りにうんざりした経験がある方は多いのではないでしょうか。

ペーパーレス化を実施することができれば、そういったこれまでの面倒な紙でのやり取りを減らすことができます。

紙の書類にハンコをもらうために社内を走り回ることはなくなるでしょう。

また、大量の書類の山から必要な書類を探すのも、データベースから検索するだけですぐに見つけられるようになるでしょう。

こういった、ひとつひとつの業務の効率化を図ることができるという点も、ペーパーレス化の魅力といえるでしょう。

③セキュリティの強化

三つ目はセキュリティの強化です。

紙で重要な書類を管理する場合、キャビネットにカギをつけるなどのセキュリティ対策を図る必要がありました。

しかし、ペーパーレス化を進めてしまえば、重要な情報はデータベースに蓄積することができるようになります。

また、社内でも限られた従業員にだけ開示したいなどの場合は、アクセス権限を設定することもできます。

もちろん、データベースへのログインにパスワードを設定すれば、外部からアクセスされるリスクを押さえることができ、不正な情報の持出や、改ざんといったことへの対策を図ることができるでしょう。

④バックアップ性の向上

四つ目はバックアップ性の向上です。

紙で情報管理を行うと、欲しい時に欲しい情報をすぐに取り出すことが難しいです。

ですが、電子化してしまえばデータベース上で検索してしまえば、欲しい情報をすぐに見つけ出すことができます。

それだけでなくデータを複数箇所に保存することで、バックアップを取ることも可能です。

また、紙で情報を保存した場合、時間が経つと書類自体の劣化が発生しますが、データであれば、そういった心配は不要です。

長期間情報を保管することができるという点でも、ペーパーレス化は有効な施策と言えます。

⑤リモートワークへの対応

五つ目はリモートワークへの対応です。

近年、ペーパーレス化と同様に、多くの企業で推進されているリモートワークですが、そのためにはペーパーレス化も同時に進めることがポイントになります。

仮に、リモートワークの取り組みは進んでいても、ペーパーレス化には取り組んでいないとなると、紙ベースの資料を作成したり、確認のためのハンコをもらったり、文書をファイリングしたりなどのためにわざわざ出社するという手間が発生してしまいます。

リモートワークなどの多様な働き方に対応するためにも、ペーパーレス化は必須の取り組みとなります。

⑥環境問題への配慮

六つ目は環境問題への取り組みです。

ペーパーレス化が必要とされる背景についてでも紹介しましたが、ペーパーレス化を進めることで、原料となる森林の保護につなげることができます。

SDGｓ（Sustainable Development Goals／持続可能な開発目標）が世界的に唱えられているように、環境への配慮は企業活動においても非常に重要な取り組みです。

企業としての社会的責任を果たすためにも、環境保全につながるペーパーレス化には取り組むべきと言えます。

4.ペーパーレス化の3つのデメリット

ここからはペーパーレス化のデメリットについてお伝えします。

①導入コストがかかる

一つ目はペーパーレス化を導入するためのコストです。

データを管理するためのデータベースを構築する、もしくはクラウドサービスを活用するとなった場合は、それに応じた導入コストが発生します。

また、サービス利用料としてのランニングコストも発生するでしょう。

加えて、従業員がデータを自由に使えるようにするためには、パソコンやタブレット端末を支給する必要もあるため、そういった体制を整えるコストも発生します。

②社内教育が必要

二つ目は社内教育です。

紙の資料の作成や印刷などは、簡易的な作業であるため、特別な研修などは必要張りません。しかし、データ化した情報をアップしたり、閲覧したりするためには、社内のリテラシーの高さによって新たに教育の機会が必要になるかもしれません。

ペーパーレス化だけではなく、デジタル化を進めるにおいては、どんな施策でも新たに覚えることが増えます。

そういった社内教育の手間が発生することは、デメリットになるでしょう。

③システム障害のリスク

三つ目はシステム障害などのリスクです。

データを管理するシステムやサーバーに不具合が発生した場合、サービス自体が利用できなくなる可能性があります。

また、外部のサービスを利用し、そのサービスのセキュリティ対策が十分でない場合、データの流出が起きてしまうことも、可能性としてはあり得ます。

こういったリスクについては、社内で事前に周知しておき、復旧までのプロセスを想定しておくことが重要になるでしょう。

4.まとめ

いかがだったでしょうか？

ペーパーレス化はコスト削減や生産性アップの方法として非常に有効です。

社内のデジタル化を図りたいと考えている方は、まずはペーパーレス化から進めてみるというのを検討してみてはいかがでしょうか。

また、デジタル人材採用.comでは、ペーパーレス化を含めたシステム環境整備をサポートしております。

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