一人前のDX人材に育成するまでのロードマップの一例をご紹介!
- 育成
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デジタル人材採用.com編集部です。全国の企業様・法人様のIT化、DXを人材採用の面から応援するための情報サイトです。
2018年に経済産業省からDXレポートが出され、エンジニアやIT人材の採用は更に急加速している様子です。DXと聞くと、何のシステムを導入するかというところを真っ先に考えると思いますが、「誰が開発するか」「どのように開発人材まで育成するのか」というところも考える必要があります。
この記事では、1人前のDX人材に育つまでのロードマップの一例をご紹介いたします。なお、後述の通りDX人材には様々な種類がありますが、こちらの記事では主にシステム構築や設計を行う人材にフォーカスしてご紹介いたします。UIデザインを行うようなデザイン系の人材については割愛して記載しております。
またこちらで紹介しているDX人材とは社内システムのエンジニアを想定しております。SIer等アウトソーシング系の会社で働くDX人材には一部当てはまらない箇所もございます。
1. そもそもDXとは?
それでは売上向上・業務効率化を実現させるDXのために行うべきことは何かを見ていきましょう。
DXを実現させるためには、そもそもDXとは何か?といったことから知る必要があります。
DXの定義は提唱する人により様々ですが、2018年12月の経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)Ver. 1.0」では、DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」としています。
難しい言葉で書かれていますが、要するにデータとデジタル技術を駆使し、企業活動やエンドユーザーの体験を今まで以上に良いものに変えていくという意味です。思いつきやすいところでいうと、紙媒体で管理していた情報の電子化かもしれません。今まで紙の表に書いていた数値管理を表計算ソフトに落とす、印鑑を押していたものを電子署名に変えると言ったところが例として挙げられます。
しかし、これらの「今までアナログでおこなっていたものをデジタル化する」というものはデジタルシフトと呼ばれるもので、単なるデジタル媒体への置き換えに過ぎません。紙に書くものをPC上で入力するという動作が変わっただけです。DXでは人間が行う動作・作業量まで変化させます。例えば、今まで複数個所入力していたものをRPAで1か所記載すると関連事項が自動で記載される、複数のシステムをAPIで連携して1つのシステムのみ記載すればよいなど今までの作業量を減らすということもDXで可能になります。更に、入力したデータの自動記入だけでなく、入力されたデータを元に最適な判断も促してくれるようになります。例えば、メールマーケティングツールであれば開封率や開封されたメールの内容を元に良いと思われるメールの記事を配信するということが挙げられます。
これらのように、DXとはデータやデジタル技術を活用することで今まで企業や顧客が体験したことのなかった業務・入力時間短縮や最適な情報提供を実現することを指します。
2. DX人材とは?
上記のDXを推進するのがDX人材ですが、具体的にはどのような職種があるのでしょうか?経済産業省のDXレポート(※1)ではDX人材を以下のように定義しています。
※1:経済産業省 DXレポートhttps://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-2.pdf
「自社のビジネスを深く理解した上で、データとデジタル技術を活用してそれをどう改革していくかについての構想力を持ち、実現に向けた明確なビジョンを描くことができる人材」
要するにプログラミングやシステムの選定だけにとどまらず、自社の業界事情などを理解したうえで、自社の業績を、DXスキルを用いて向上させられる人材という意味です。
これを聞いて「DXで業績を上げられる人材とはいったい?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。具体的にDX人材の役割を知るとよりイメージが湧くかもしれません。
独立行政法人の情報処理推進機構によると、DX人材の種類は以下のように分けられます。
①プロデューサー
DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材(CDO含む)
②ビジネスデザイナー
DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担う人材
③アーキテクト
DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材
④データサイエンティスト/AIエンジニア
DXに関するデジタル技術(AI・IoT等)やデータ解析に精通した人材
⑤UXデザイナー
DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材
⑥エンジニア/プログラマ
上記以外にデジタルシステムの実装やインフラ構築等を担う人材
※2:独立行政法人情報処理推進機構
「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」
https://www.ipa.go.jp/files/000073017.pdf
3. DX人材に育つまでに行うことを具体例を交えご紹介
それではDX人材に育つまでに行うことの具体例をご紹介していきます。こちらでは上記の職種の中で、コーディングやDX企画に関わる部分の職種に注目してご紹介したいと思います。
今回は
⑥エンジニア/プログラマ
システムの構築、実装ができる
③アーキテクト
構築するシステムの設計ができる
②ビジネスデザイナー
そもそも業務のどの部分にシステムを導入するかという点も含め戦略を立てられる
という形でステップアップしていくと仮定し、ロードマップをご紹介したいと思います。
(1) 特定のシステム以前にPCの主要機能を理解できる
まずはPCの基本操作ができることが前提です。
Microsoft Officeの各種ツールやGoogle workspaceの使い方や、それらのショートカットキー等が問題なく使える状態にしておきましょう。
(2) ノーコードで操作できる部分をマスターできる
最近はノーコード/ローコードで開発できるシステムも多くなってきています。各システムの基本設定等、コーディング不要で設定できる事柄がまず出来るようになっておくとよいでしょう。
システムの概要をしっかり理解しておくことでコーディング作業も順調に進むようになります。
(3) 既存のコーディングで起きたエラーの修正ができる
システムのノーコードで設定できる部分が自分で設定できるようになったら、実際はコーディングを行ってみます。コーディングには正解がありますので、既存のコーディングで「正解」を学ぶことが大事です。正解をインプットしたら正解じゃない事象、つまりコーディングのエラーがどこで起きているかを把握できるようにします。そして正しいコードに直す経験を積み重ねていきましょう。
(4)既存のコードの書き換えを行って構築を行うことができる
コーディングのエラーが修正できるようになったら今度は既存のコードを書き換えてシステムの構築を行っていきましょう。
いきなり1からコーディングを書くのではなく過去に開発したコードと同類のコードを真似して書くことで徐々に応用力を養うことができます。
(5) 1からコードを書いて開発できる
既存のコードの書き換えが出来るようになったら、今度は1からコードを書いて開発してみます。開発したい機能は何か、必要なコードは何かを自ら考え、コーディングしてみることによって目的思考が養われ、適切に目標設定を行ったうえでのコーディングができるようになります。
ここまでできて⑥エンジニア/プログラマとして1人前と言えるでしょう。
そして次は③アーキテクトとしてのスキルを身に着けることになります。
(6) 何の機能が必要か、置き換える機能は何かを考えられる
コーディングが一通りできるようになったら、社内システムで何が改善できるか、何の機能を追加したほうがいいかを考えてみます。社内の業績アップ・業務効率化になっているかがDXにおいては重要であるため、機能変更で何を効率化したいかという点から逆算して考えてみましょう。
(7) そもそもどのようなシステムを入れるべきかを考えられる
1つのシステム内での機能改善ができるようになったら今度はそもそもどのようなシステムを入れる或いは入れ替えるかを考えます。システムの特徴、他のシステムと比較した際のメリットデメリットから総合的に判断し導入できるとより業績向上・業務効率化に近づけるでしょう。
システム選定までできるようになったら③アーキテクトとして1人前と言えるでしょう。
次はいよいよ②ビジネスデザイナーとしての素養を身に着けます。
(8) それぞれの業務フローの業務工数と業務内容を洗い出し、改善するフローを決定できる
システムが選べるようになったら、今度はどの業務に問題があるかを発見し、改善すべき業務フローがどこであるかを考えます。
DXジャーニーマップを使い、業務フローや発生する業務、工数等を書き出して負担になっている業務や効率化できる業務を発見できるようにします。
※DXジャーニーマップに関しては以下の記事をご覧ください。
(9) DX全体を通して達成する目標を設定し、解決までの道のりを決める
先ほどは一部の業務フローの洗い出しでしたが、今度は業務フロー全体で何の目標を達成するかを考えられるようにします。
全体の工数の削減なのか、あるいは売上額なのか、目標とする指標はいくつもあるので、DXにおいてどの指標を達成するかを業務フローから考えられるようにします。
このように最初は一部分のコーディングから始まり、最後には社内の業務フロー全体を俯瞰できる人材を目指していくのが一般的なDX人材のロードマップになります。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか?
1人前のDX人材に育つまでのロードマップの一例をご紹介いたしました。
自社で育成できる人材とはいいますが、全くの未経験から育成するのは難しい場合もあります。
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