『ペーパーレス化を推進するために必要なスキル』は?
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ペーパーレス化という言葉を、よく耳にすると思いますが、本当に必要なことで、有用なことなのでしょうか。また、具体的にどのようなスキルを持っていれば、ペーパーレス化に向けた対応ができるでしょうか。
1 ペーパーレス化は必要か?
別のコラムでもご紹介しておりますが、ペーパーレス化の重要性には何となく気が付いているが、なぜ重要であるかをきちんと理解されている方は少ないのではないでしょうか。具体的には後で述べますが、コスト削減や環境への配慮、業務の効率化、など組織にとっては検討したい内容であると言えます。
では、ペーパーレス化が必要とされている背景には、どのような状況があるのでしょうか。
1-1 コロナウィルスによる非対面業務の増加
コロナウィルスの蔓延により、対面式の業務が減り、リモートワークやWeb会議の利用が急激に増加しました。リモートワークを実施する上で、ペーパーレス化は切っても切れない関係で、紙のドキュメントは原紙がなければ確認できず、自宅用にコピーを作成する等は、コスト面でもセキュリティ面、管理面においても問題があります。リモートワークの実現においては、ペーパーレス化の促進は必要であると考えられます。
1-2 環境保護
紙は木が原料の製品であり、紙を生産するためには多くの森林の伐採が必要となり、環境問題に繋がります。紙を利用すればするほど環境への悪影響は容易に想像できます。よって、環境保全を行う上でも、ペーパーレス化の促進は必要と考えられています。
1-3 国の推進
2022年1月から施行する「電子帳簿保存法改正」がありますが、これまでにも、ペーパーレス化を推進するための法改正が多く施行されています。
また、働き方改革の施策のひとつとして、ペーパーレス化は挙げられており、企業の取り組むべき事柄の中でも重要なものの一つになっています。
2 ペーパーレス化のメリット/デメリット
前項で、ペーパーレス化の背景を簡単にご紹介しましたが、では、ペーパーレス化を実現することで、どのようなメリットがあり、またデメリットはどのような点で考えられるのでしょうか。
詳細は、別のコラムで説明をしていますので割愛しますが、以下の6つのメリットと3つのデメリットが考えられると言われております。
【メリット】
・コスト削減
・業務効率化
・セキュリティ強化
・リスク管理
・環境問題への配慮
・リモートワークへの対応
【デメリット】
・導入コスト
・実現までに労力、時間が非常に掛かる
・システム障害のリスク
よく聞くメリット/デメリットを挙げましたが、メリットがデメリットを上回っているように見えます。前項でも説明しましたが、政府もペーパーレス化を推奨しています。2019年4月に施行された”働き方改革”の具体策の一つに含まれており、法整備も行われております。“e-文書法”や“電子帳簿保存法”などがそれに当たり、国としてペーパーレス化を推進しています。
また、紙という資源を減らすことが出来るので、地球温暖化の対策にもなり、環境保護や昨今注目されているSDGs(Sustainable Development Goals)の一部にも共通するという観点からもペーパーレスの必要性が伺えます。
3 ペーパーレス化推進のステップ
では、具体的にどのようにペーパーレス化を進めたらよいのでしょう。
3-1 ペーパーレス化推進の全体設計
今後の業務をペーパーレス化するためには、という観点から業務の改善や使用するシステムなどを選定したり、紙をデジタル化するためより多くのデータを保存したり、する必要があります。他にも、サーバーやネットワークなどの見直し、様々なことを検討する必要があります。
また、過去に発生した紙ドキュメントをどのように扱うかも、検討する必要があります。そのまま紙で保存するのか、時間とコストをつかってデジタル化するのか、などを予め決めて、対応を取る必要があります。
3-2 既存システムの見直しと必要機能の洗い出し
紙を中心にしたサイロ化したシステムが原因で、ペーパーレス化が進まない事が多いとよく耳にします。サイロ化されたシステムとは、それぞれのシステムが独立して、他のシステムとの連携が取れていないシステムを言います。例えば、経費精算を申請する仕組み、届書を申請する仕組み、稟議を申請する仕組み、などそれぞれが異なるシステムで構築されていると、データの検索性が失われ、データの整合性が損なわれてしまうシステムとなってしまい、結局は『紙での運用が一番効率的』という状態になってしまいます。現行のシステムについても、見直しをする必要があります。
3-3 運用ルールの策定
最後に、ペーパーレス化に向けた準備が整い、実際に運用を行う際でも、ITリテラシーが低いがために、楽な運用に流れてしまいがちで、せっかく構築したシステムが使われないというケースも見受けられます。実際の業務に適した運用ルールを策定し、無理なく運用ができる環境を作り出すことも必要です。
4 ペーパーレス化推進の注意点 ポイント
より具体的な進め方などを社内で検討し、計画まで作成しても、必ず実現するとは限りません。一番重要なことは、社内の全員がペーパーレス化に向け、それぞれがすべきことをする、ということです。
社内に向けたペーパーレス化の目的共有や動機付けなど、情報共有を行い、従業員全員が同じ目標に向かうための準備が不可欠です。
また、小さな事かもしれませんが、ITを活用する機会が少ない部署や職種では、なかなかペーパーレス化の推進が周りの部署から遅れがちになるケースも考えられます。常に会社を見て取組状況等を把握しながら進めることも大事になります。
実際にペーパーレス化に向けた運用が始めれば、新しい業務が増え、せっかく構築した機能が足りない、情報が古いなどの問題も生じます。このような問題を抱えたまま、システムの改修を待っていては、業務が滞ってしまいます。また、楽だからといって、今までのやり方に戻ってしまっては、ペーパーレス化から外れてしまいます。
5 ベンダーの開発・保守に頼らずペーパーレス化ができるようになるスキル
今までの説明から、「ペーパーレス化は難しい」、「ベンダーに任せる方が楽だが、実現コストが高そう」などと思われた方も多くいらっしゃると思われます。ですが、ベンダーやシステム開発会社に大型開発を依頼しなくても、社内の人材でペーパーレス化を実現する一例があります。
例えば、高価なシステムを導入しなくても、Excelで伝票データなどから、集計して、グラフ化するまでを自動で行うなどのペーパーレス化も可能です。
5-1 VBA
別のコラムでも説明していますが、Microsoft社のもので、Office製品に標準搭載している機能です。Visual Basicという言語とほぼ同じ機能をもっており、本格的な開発言語であると言えます。また、マクロとの関係からExcelでの利用が強く印象にあると皆さんは言っておられますが、実際は、Office製品に付属している機能になりますので、Excel以外のWordやOutlook、PowerPoint、InternetExplorer、MicrosoftEdgeなどでも利用可能です。
例えば、Outlookにおいて、外部の方へのメール送信をする場合に、誤送信防止のため、外部送信をする場合にのみ、確認メッセージを表示することができます。
5-2 マクロ
こちらも別のコラム説明しておりますが、VBAと同じものと取り違えておられる方が多いです。実際にインターネットや書籍などでは同意義として解説しているものもありますが、実際には全く異なるものです。
マクロは、Excelの拡張機能で、手順の記録ができます。実際にExcel上で行った作業をマクロとして手順を記録します。この記録したマクロは、VBA言語により記録されています。
5-3 GAS
Google Apps Script の略で、現在Googleが無料で利用できるサービス(Gmail、GoogleCalendar、Google Drive、Google Spreadsheet,
Google Map)を連携したり、情報収集したり、アプリケーション開発を行ったりと、初心者でも簡単に行える内容になっています。
6 まとめ
ペーパーレス化を推進する上で、3つのスキルが重要であるというよりは、推進する手助けをする位置づけにあると考えます。
マクロは、Excel機能の一つとして、手順を記録できますので、特別なプログラミング知識がなくても対応ができます。しかしながら、その記録された手順に手を加えるとするならば、VBAの言語知識が必要となり、加えてプログラミングスキルも必要になります。
GASは、Googleの無料提供されたサービスを拡張して利用することができ、初心者でも簡単に利用可能となっています。
ここで挙げたスキルは、身近で入手しやすいものとして紹介しましたが、これ以外にも、ペーパーレス化を推進するために活用できるスキルや製品、ツールが数多く存在しています。それぞれに特徴がありますので、よくその特性を見極めて、それぞれの環境や業務に合ったものを選択する必要が、ペーパーレス化を推進することに繋がると考えます。
初心者でも利用でき、身に付けられるスキルがあるとは言え、習得し実践するには非常に時間が掛かります。短時間でペーパーレス化を実現したいと場合は、ペーパーレス化に必要な人材を採用する方法もございます。
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