IT人材の採用で失敗しないための3つの注意点とは?
- 採用
1.IT人材を採用する際の注意点
自社のIT化のためにIT人材を採用したいと考えている採用担当者の方も多いかと思います。しかし人手不足の中で自社に合ったIT人材を採用することは難しいでしょう。特にエンジニアなどの職種は需要に対して供給が追い付いていないため、ただ求人を出しているだけではなかなか採用ができません。さらに採用までは上手くいったとしても実際に雇ってみると成果に結びつかないことや、転職をしてしまうなど珍しくない話です。IT人材の採用で失敗しないためにも、IT人材を採用する際に気を付けなくてはいけないポイントについて見ていきましょう。
採用をする目的を明確にする
IT人材を採用する際に気を付けなくてはいけない一つ目のポイントとして挙げられるのが採用をする目的を明確にすることです。どの職種でも採用する目的があることが当たり前だと感じるかもしれませんが、IT人材を採用する際には採用をする目的をより明確にするべきです。例えばエンジニアの中でもフロントエンド、サーバサイド、インフラなどの職種に分かれているため、何を作りたいのか、どこの職種のエンジニアが足りていないのかを明確にしなくてはなりません。初めてIT人材の採用をする企業はそもそもプログラミング言語や各エンジニアの知識が少ないことから、エンジニアの情報収集から始めることをおすすめします。
求人倍率を踏まえた採用活動を行う
IT人材を採用する際に気を付けなくてはいけない二つ目のポイントとして求人倍率を踏まえた採用活動を行うということです。例えばエンジニアの求人倍率は7~10倍だと言われています。他の職種であれば求人を出していればある程度の採用が見込めるかもしれませんが、エンジニアを採用する際には高額な報酬を用意するか、何か求職者を引き付けることのできる特筆すべきポイントがなければなりません。さらに求人の倍率だけ見れば10人に声をかければ、一人は採用できるのではないかと考えがちですが、50人に声をかけても全く採用ができないケースもあります。自社で働くことのメリットを明確にし、それが他の求人と比べて魅力的に感じるかを考えましょう。
月給だけで採用を決めない
最後の注意点として安易に月給の低いIT人材を採用しないことです。月給が30万円程度の新卒と100万円で雇うことのできるベテランのエンジニアがいる場合どちらを採用するのが正解なのでしょうか?「いくらベテランのエンジニアだと言ってもそこまではお金をかけたくない」と考える方も多いかと思います。しかしベテランのエンジニアであればフロントエンド、サーバサイド、インフラすべてができて、マネジメントの経験もあるという人もいます。30万円で雇うことのできる新卒はプログラミングの基礎知識はあるが、実際にアプリなどの成果物をほとんど作成したことがない場合もあります。中小企業の悩みとしてよく挙げられるデータの処理や効率化をしたいという場合でも、ベテランのエンジニアであれば1ヵ月程度でできることを新卒のエンジニアはプログラミングの勉強を並行しながら行うため、半年以上かかることもあります。このように新卒とベテランのエンジニアを比較すると5倍以上の生産性があることが分かります。ここまで経験値によって成果が明確に違ってくるのがIT人材の採用の特色かもしれません。
2.IT人材を採用するために必要な3つのステップ
IT人材を採用する際の注意点を確認したところで実際にどのように行動をして採用をしていけばいいのかを確認していきましょう。
ペルソナ像の作成
まずどのような人材を採用したいのか、ペルソナ像を作成しなければなりません。採用したい人材のスキル、経験、人物像、組織でどのような役割を担ってほしいのかを明確にしていきます。先ほども触れましたが、エンジニアを採用する際にはプログラミング言語や職種への理解を深めた上でどのようなスキルを持った人材が採用したいのかを考えなくてはいけません。ペルソナ像を明確にしていく中でどのように求職者にアプローチをするのか、面接では誰が対応をして採用の決定までこぎつけるのか、戦略を立てていきましょう。
採用単価を決める
先ほどエンジニアなどのIT人材の求人倍率が高いという話をしましたが、それに伴い採用単価も上昇していることを考えながら採用活動をしなくてはなりません。求人媒体に掲載をするだけではなく、エージェントやリファラル採用など、IT人材の採用のために様々な手段を使いましょう。
採用単価を決めるために考えなければならない指標は大きく分けて二つあります。
一つ目は緊急性です。ITの事業を始めるにあたっていつまでに人材の採用をしなければいけないのかによって採用の手法や採用単価も変化します。事業をなるべく早く始めたいと考えており、人材確保の緊急性が高い場合はエージェントに依頼をすることや求人媒体で高い料金を支払うことを検討した方が良いかもしれません。
二つ目の指標は人材の希少性です。様々な職種の経験があり、マネジメントもできる人材を採用するのと、開発のみを担当するエンジニアを採用するのとでは採用単価が変わります。自社が人手不足で開発をする人材を必要としているのか、そもそも事業を立ち上げる段階で、マネジメントや事業の内容を考えなくてはならないフェーズかによって採用しなくてはならない人材は異なります。
面接の実施
求人倍率が高いIT人材を採用する際に今までと同じアプローチだと成果につながらない人材を採用してしまうことや、せっかく自社にマッチした人材を確保できたと思っていたのに内定を辞退されてしまう可能性があります。それでは実際にどのような手順で面接を進めていけば良いのかを見ていきましょう。
まず求職者との接点を持った際に自社の理解を深めてもらうためにカジュアルな面談をすると良いでしょう。面接のような形式ばった話し合いではなく、ざっくばらんに求職者からの質問に答えながら自社についての理解を深めてもらい、興味を持ってもらうことから始めましょう。
次に面接を行います。面接の際にこれまでの経歴や自社の理念に共感をしているかなど確認をしているかとは思いますが、IT人材を採用する際には詳細にスキルのレベルをチェックする必要があります。エンジニアのスキルのレベルをチェックする方法として、実際に面接の場でコードを書いてもらう方法やGithubのポートフォリオ(エンジニアの制作物を確認できます)を見るなどの方法が挙げられます。面接の最終段階では年収や勤務地の確認も行いましょう。
最後にクロージングの面談を行います。ニーズの高いIT人材は他の企業からの内定をもらっている可能性が高いです。求職者に寄り添いながらどこで悩んでいるのかを聞き出し、自社で働くメリットを伝えましょう。IT人材が入社をする前に不安に思っているポイントとして、「活躍ができるのか」ということと「社内の雰囲気が合うのか」などが挙げられます。活躍できるかどうか分からない不安を払拭するためにも、面接の段階で入社後に求職者にどのように活躍してもらうのかを明確に伝えるようにしましょう。また社内の雰囲気に関する不安を払拭するためには、現在働いている社員に「入社をする決め手は何だったのか」や「会社の雰囲気が良いと感じた理由」について調査をしてみても良いかもしれません。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか?IT人材の採用を考える際には求人倍率が高いことやエンジニアのスキルについての理解が必要だということがご理解いただけたかと思います。高額な採用単価や面接のクロージングなど普段の面接とは異なる部分が多いため、今までの面接のままではIT人材を採用するのが難しいという認識が必要です。採用する目的、自社のアピールポイントを明確にできたらIT人材の採用に挑戦してみましょう。
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